プーチンは戦争を欲していた(改題しました)

 皆さんこんにちは、日本ではすっかり夏ですね。しかし、ロシアのウクライナ侵略戦争はなおも続いております。私は二つの意味で驚いております。一つはロシアがこれほどまでに国際秩序をぶち壊して一線を軽々と超えたことです。21世紀情報化時代での有事ということもあって情報は氾濫しており、ロシア軍の戦争犯罪ウクライナ軍反撃による被害、ロシア経済のひっ迫などいろいろです。その詳細についてはここでは触れません。未だ有事の最中であるため、情報の中には嘘と誇張が含まれるからです。

 といってもロシア軍が民間人を攻撃したのは隠しようのない事実であり、皮肉にも私が描いたシミュレーション戦記で中国が切り開くはずだった戦乱の時代をロシアが始めたわけですから、正直複雑な気持ちです。元々ロシアという国を信用していなかった私は同国がいつか北海道を狙いに来ると想像しつつ、けれどそれは世界覇権戦争に踏み出す中国を裏切る形で、WW2で連合国側についたように仕掛けてくるだろうと考えていました(シミュレーション戦記)。しかし実際はもっとアグレッシブであり、ロシアは可能ならいつでも北海道を狙う、そんな鬼気迫る世界観であることが確認できました(シミュレーション戦記2.0)。

 二つ目に驚いたのはウクライナが諦めずに戦っていることです。敗戦後の平和教育から圧倒的な国力差で戦いを挑むことは愚かなことだと教えられた日本においては、開戦序盤から「降伏しろ」だの「話し合え」だの偉そうなことを言って物議をかもす論客が後を絶ちません。まぁ、21世紀のピエール・ラヴァルである鳩山由紀夫を生んだ国ですから似たような者は現れて当然でしょう。将来、我が国がウクライナと同じ境遇に陥った時にどんな反応をするのか楽しみでなりません。

 ロシアについて過去記事で少し取り上げていますが、本ブログでは本来中国の覇権主義についての考察や日本の現状、米国の行方や未来に起こり得る戦争が主目的でありロシアについては門外漢であります。それ故ウクライナ戦争に関連の話題はあまりしないのですが、地政学上東欧と極東はとても似通っており、ロシアが中国と深い関係にあることから、いずれやってくる台湾有事や日本有事に向けて考える手がかりがあるはずです。今回はそれをピックアップして考察していきたいと思います。

 ウクライナ戦争は誰が望んだ?

 まずウクライナ戦争がなぜ起こったのかという様々な人が考える話ですが、その答えはシンプルに「プーチンが戦争したかったから」というのが正確なところです。こう書くと「いやいやプーチンさんが戦争を始めたのはNATOの東方拡大が原因で」と何か知ったかのように言う人が後を絶ちませんが、それはプーチンが長年掲げていたドクリトンを引用しているだけで、全面侵攻へ至った理由には乏しいのです。過去記事でも論破していますが、今回は完全に粉砕されることを覚悟してください。

 ロシアは既に外交目的を果たしていた

 まず侵攻開始の2022年2月24日の時点でウクライナNATOに加盟する切迫した状況になっていないことが第一に挙げられます。そもそもNATOは加盟を希望する国に対し、加盟国すべてが了承する必要があります。一国でも反対したら入れないんですね。例によってプーチンとその支持者はNATOアメリカ帝国の一旦と思い込んでいるわけですが、2008年の首脳会談においてウクライナジョージアの加盟はドイツとフランスによって反対されています。

北大西洋条約機構NATO)首脳会議は2日、初日の日程を終えたが、ウクライナグルジアのほかマケドニアによる加盟問題は合意に達しなかった。
 クロアチアアルバニアの新規加盟では合意、アフガニスタンへの兵員増派問題では進展があったが、ウクライナグルジアの加盟を強く推すブッシュ米大統領には痛手となった。(出典:NATO首脳会議、ウクライナなどの加盟問題で合意に達せず,ロイター電子版,2008.4.3.,https://www.reuters.com/article/idJPJAPAN-31139120080403

 この姿勢は侵攻直前まで継続されており、特にドイツに至っては侵攻前に支援としてヘルメットのみを送った他、エストニアがドイツ製りゅう弾砲をウクライナへ引き渡すことを許しませんでした。これはノルドストリームを通して送られていたロシア産の天然ガスが影響しており、エネルギー保障上ロシアの機嫌を伺うようになっていたからです。

 またドイツだけでなく欧州全体もロシアとの対立を避けたい本音があり、親露勢力(事実上のロシア軍)が支配するドネツク・ルガンスクに「特別な地位」を認める形で双方兵を引き上げる「ミンスク合意」を推していました。事実上独立を認めるかのような合意にウクライナは煮え湯を飲まされる気分ですが、欧州の支援無くしてロシアに対抗できない為受け入れざるを得ない状況でした。しかしウクライナが合意を履行しようにもロシア側は兵を引こうとせず、一方的にウクライナに履行を要求するばかりで結局膠着した状態が続いていました。

  第1は、ミンスク合意を履行する当事者は誰かという問題である。この合意には、TCGの代表に加えて、ロシアの後押しもあり武装勢力の代表も署名しているが、一部の措置について履行主体が曖昧である(例えば重火器を撤去するのは「双方(both sides)」としか書かれていない)。そしてその解釈はこの紛争をいかに捉えるかによって変わってくる。
  ウクライナはロシアを「侵略国」と規定するとともに、この戦争を国家間戦争と位置づけているため、ロシアも合意の履行義務を負っていると主張する。一方、ロシアはそもそもウクライナ領におけるロシア軍の存在を否認しており、この紛争を内戦と位置づけている。この観点からすれば、ロシアはあくまで紛争の「調停者」に過ぎず、履行するのは「ウクライナ政府とDNR/LNR」であり、「外国」の部隊や兵器などの撤収を求める項目もロシアとは無関係ということになる。
  第2は、合意項目の履行順序をめぐる問題である。ミンスクⅡでは、ミンスクIの教訓から一部項目に履行期限が記され、和平プロセスの大まかな流れも示されることになったが、いくつかの鍵となる項目については履行順序が曖昧で、矛盾を孕むものとなっている。
  ウクライナは「治安項目」の完全停戦や重火器撤去、そして外国(つまりロシア)の部隊などの撤収が実現してはじめて、CADR/LRにおける民主的な選挙の実施、特別地位法の恒久化、憲法改正手続きといった「政治項目」の履行を完了することができるという立場である。他方、ロシアはこれを逆に捉えており、治安状況にかかわらず、ウクライナはこうした「政治項目」をまず実現させるべきだと主張している。(出典:合六強,長期化するウクライナ危機と欧米の対応,国際安全保障,2020.12.,p37)

 合意自体が曖昧なこともありますが、明らかに欧州がロシアに及び腰で、ロシアが兵を送っているのは明らかなのに、ロシアの「紛争は親露派の行動でロシアは関係ない」という主張を丸呑みした結果です。この手法は侵略方法としてまさに王道で中国も沖縄に対して同様の手順を踏んできますのでそのつもりで。

 NATOは脅威でない

 第二に何度も書きますがNATOは防衛的組織であり、その拡大はプーチンの考えるような覇権主義的なものでないことです。旧東側を受け入れる度にロシアと会合し、軍を常駐させずのローテーションにするなどかなり気を使っています。さらにロシアとその影響下の国々と平和のためのパートナシップを結ぶなど歩み寄りを重ねていました。

 こうした姿勢であるが故にすでに紛争状態にある国は受け入れられず、南オセチア紛争を抱えたジョージアのように、ウクライナも紛争を抱えていると見なされる限り加盟を先延ばしにされてしまいます。だからもしウクライナが出血覚悟でミンスク合意を履行してもロシアは韓国の慰安婦問題よろしく紛争を蒸し返せばいいのです。実際8年間それを続けてきたわけですから。

 第三にこの防衛的組織ですが、長年平和が続いて緩み切っていました。いざとなれば一緒に戦ってくれるからと言って加盟国は防衛費を削減していたのです。NATOにはGDP比2%の軍事費が努力義務となっていますが、達成国は30か国中わずかに8か国(2022年時点)、ドイツに至っては、ロシアが戦争するまで頑なにこれを拒否し、国軍の装備はとてもお寒い状況になっていたそうです。

 

grandfleet.info

 この余りの堕落っぷりに世界的に有名な戦略家のルトワックさんに「麻薬中毒者」に例えられてしまうほど。2019年にはアメリカファーストを掲げていたトランプ前大統領が米国のNATO脱退を主張し、当時のフランスのマクロン大統領が「脳死」と発言して物議をかもしました。この時ロシアは「最高の言葉だ」と言って大喜びしているのです。
 え?それでもウクライナNATOに加盟したら、NATO軍基地が作られてアメリカの弾道ミサイルが配備されるだって?仕方ないですね。その議論に止めを刺して差し上げます。ウクライナ憲法には外国軍の駐留を禁じる条項があるのですよ。第17条の最後にこうあります。

На території України не допускається розташування іноземних військових баз.
ウクライナの領土では、外国の軍事基地の設置を許可されていません。)

──ウクライナ最高議会HP(https://zakon.rada.gov.ua/cgi-bin/laws/main.cgi?nreg=254%EA%2F96-%E2%F0#Text)より

 つまり仮にウクライナがクリミアとドンバス東部を諦めるなりして紛争を終わらせ、NATO加盟が認められたとしてもNATO軍が駐留するかどうかはまた別問題になるということです。しかもこの条項、先代のポロシェンコ政権で憲法にEUとNATO加入を目指す方針を明記した後も残っているんです。

 こうした歴史的経緯と客観的事実を踏まえると2月24日にロシアが戦争する必要は全くありませんでした。ウクライナNATOに加盟するのを阻止してるし、ドンバス東部を切り離せるのも時間の問題で、NATO自体も弱体化して脅威で無くなっていきます。おまけにトランプ政権後期からバイデン政権に至るまでに持ち上がった中国のコロナ問題や人権問題で東欧への意識も向かなくなる始末。日本との経済協力会合も直前まで定例通りに開かれ、待っているだけで金が手に入るはずでした。目的がウクライナの中立であるならもう達成していたのです。

 戦争がしたかったプーチン

 しかしプーチンはあえてウクライナへ全面侵攻を仕掛けました。まだ東部の紛争地に進軍するならともかく、全く関係のない首都キーウまで直接堕としにかかったのです。手法は独裁仲間のベラルーシを経由して立ち入り禁止にされているチョルノービリ原発を突っ切るという荒業でした。

 この衝撃は欧州を激変させました。ドイツはそれまで拒否していたGDP比2%への軍事費増強を宣言し、ウクライナへの武器支援を決断しました。また、それまで中立を掲げていたスイスやフィンランドスウェーデンまでウクライナ支援に動いたのです。そしてついにはフィンランドスウェーデンの2国はNATO加盟を決断し、トルコの難色はあったものの、今月5日に無事加盟と相成りました。結果的にNATOは侵攻前より拡大し、復活してしまったんですね。

 こうした状況をプーチンの誤算と呼ばれていますが、本当にそうでしょうか?彼は就任以来、チェチェン南オセチアやシリアなどで武力行使を指示しています。だから当然どの程度すればどんな反応が返るかは予想できたはずです。いくら下院がドネツク・ルガンスクの独立承認を法制化しているからと言って、それを承認するかしないかは大統領である彼の権限ですから「止められない理由」にはなりません。またロシアがウクライナ討伐一色かといえばそうでもなく全ロシア将校協会のイヴァショフ氏はウクライナ侵攻に反対していました。

 

www.mag2.com

 にもかかわらずプーチンは戦争を選んだのです。それは世界的孤立もいとわず、ウクライナを完全支配下におさめる意思があったのは明白です。彼の目的はロシア帝国の復活であり、その観点で考察すれば曖昧蒙昧な中立状態より直接ウクライナ支配下におさめる方が都合がいいのです。実際、ロシア軍が占領しているウクライナの都市では徹底したロシア化が進められています。

ロシアが主権宣言した祝日「ロシアの日」を迎えた12日、ウクライナでの制圧地域でも記念行事が開かれた。南部ヘルソン州とザポロジエ州では既に、一方的に樹立した暫定政権が住民にロシア国籍を証明する身分証交付を開始。ロシア通貨ルーブル流通も進めており、ウクライナ側は「ロシア化」の加速に反発している。(出典:「ロシア化」の動き加速 南部制圧地域で身分証交付,産経ニュース電子版,2022.6.13.,https://www.sankei.com/article/20220613-TOXIPQBYU5LZ7HXOFKF2PQRXIU/

 

 もしキーウが堕とされていたらウクライナ全土でこうした政策が実行されていたでしょう。反抗的な市民はサハリンなどに強制移住され、ロシア人に従順なものだけが残されます。その選別手法はナチスユダヤ人選別に酷似しているとされ、「賢いウクライナ人」を選んでいるとのこと。プーチンを擁護する人の中には「ウクライナはネオナチ政権だ」と主張することがありますが、まずゼレンスキーさんがユダヤ人であるだけでその理屈は崩壊しますし、ロシアの方の行動自体がナチスそっくりです。

 加えて皮肉なことに3月1日にロシアはキーウのテレビ塔爆撃の際に隣接していたホロコースト追悼施設まで破壊してしまうという暴挙も犯しています。挙句の果てはラブロフ外相が「ヒットラーユダヤ人の血」発言して世界中の顰蹙をかいました。この時ラブロフさんは「賢いユダヤ人に聞いた」と発言しており、ナチスの選別手法を模倣していることを世界に印象付ける結果を招いています。

 こんなにも欧米やイスラエルのヘイトまで集めているにも拘らず、最近ではピョートル大帝を自身に重ねるような発言までかましているプーチンさん……。そこにはもはや開き直りがあるばかりか、むしろ長年の悲願達成に燃える印象さえあります。そうです。プーチンこそウクライナ戦争を夢見ていた張本人なのです。

 夢をかなえたプーチン

 それを裏付けるエピソードがあります。今から8年前の2014年秋に米政治情報サイトのポリティコのインタビューで、ポーランドの元外相のシコルスキ氏が2008年にプーチンからウクライナの割譲を提案されていたことを暴露しました。

ポリティコによるとシコルスキ氏は、同国のトゥスク首相(当時)がロシアを訪問した際にプーチン大統領から話を持ちかけられたと発言。「プーチン氏はわが国に対し、ウクライナの割譲に参加することを希望していた」と述べた。
プーチン氏は「ウクライナは作りものの国家であり、そもそも西部のルボフはポーランドの街だ。共に、正常な状態に戻そうではないか」とも述べたという。ルボフは第2次大戦前、ポーランド領だった。
トゥスク氏は、会話が録音されていることを認識していたため提案については回答しなかったが、その後も関心を示すことはなかったという。(出典:ロシアが2008年にウクライナ割譲を提案=ポーランド元外相,ロイター電子版,2014.10.21.,https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-poland-sikorski-idJPKCN0IA08420141021

 これはまさしく1938年から39年に渡るナチスドイツによるチェコスロバキア解体を彷彿とさせるものです。この報道に対してシコルスキ本人は「誇張されている」と言っているものの、「ウクライナは作りものの国家」という弁は2021年7月に発表されたプーチンの論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」にぴたりと符合します。
 幸い当時のポーランド首相はこの時代錯誤の提案を蹴りましたが、この時点からプーチンウクライナ侵略計画は始まっていたと言えます。今日ウクライナに東部割譲を含めた政治的妥協に動く独仏や一部の米国リベラル識者に対して、ポーランドが強硬にウクライナ支援に力を注ぐのはこうした伏線が影響しているのかもしれません。何しろチェコスロバキアを征したヒットラーはその後ポーランドに侵攻しましたからね。

 プーチンは止まらない

 今日本を含めた西側の識者の間で「ロシアは戦略的に敗北した」という弁が主流であり、プーチン失脚の可能性が高いと説きます。しかしそれは西側の世界観でもってロシアを見た場合です。西側の世界観はグローバルな経済交流でモノと金を溢れさせて国民によりよい生活を提供することに重きを置いています。故に戦争の為に世界から孤立し、経済交流を絶たれた状態は敗北と映るでしょう。

 しかしプーチンの世界観は違います。彼の世界観は18世紀から19世紀の帝国史観としてのロシアを復興させることに戦略的価値を見出しています。NATO拡大に反対するのもシンプルに帝国復活の邪魔になるからです。そしてここからが重要なのですが、戦争によって自身の政権を延命できると考えている節があります。それは当初からウクライナ侵略で掲げている「非ナチ化」にあります。前述の通りむしろロシアの方がナチスの如くウクライナ人の選別・支配を行っているわけですが、国内向けだと意味合いが違うようです。参議院議員の青山さんはこう話されています。

何故プーチン大統領が「ナチ、ナチ」というかというと、これはロシア人全ての記憶として相手がナチだったら一発でまとまるんですよ。これは一時期ナポレオンと同じでね、ナチの軍隊もソ連奥深くへ入って行って結局冬将軍に負けて滅んでいく、ナポレオンとそっくりですよ。でもその時にナチをはね返した、イギリスがナチを防ぎきったってことも重要だけど、当時のソ連ロシアがはね返したってことも重要で、ロシア民族の偉大なる誇り、歴史の記憶で大英帝国と並んでナチを打倒した、本当はアメリカが入ってくれたからだけど、要するに米英と並んでロシアの誇りなんですよ。だから相手が「ナチ」だと言ったら片が付くからプーチンは国内対策で言ってるんですよ。(出典:【ぼくらの国会・第304回】ニュースの尻尾「プーチン大統領 最後のあがき」,青山繁晴チャンネル・ぼくらの国会,2022.3.25.,5:43-5:46,https://www.youtube.com/watch?v=WbvDQ5nijM4

 ユダヤ人であるゼレンスキーさんを指して「ナチだ」という荒唐無稽さにはそんな裏があったんですね。プーチン第二次世界大戦大祖国戦争にあやかって国家の危機を演出し戦争を正当化したのです。しかもこれは負けられない戦いを意味するため、どこかで妥協とか停戦する可能性を自ら摘み取ってしまうものでもあります。つまり孤立しようが経済的に困窮しようが戦争を続けることになるんですね。そしてその戦争はプーチンでなければ続けられないとなるわけです。

プーチン大統領のもともとの戦略はウクライナ広すぎるんで、少しずつカットしていって、最終的には全土をロシアのものにしたい。で少しずつカットして、少しずつ呑み込んでいくのなら、その間ずっと自分は独裁者でいられると。途中でだれか代わりにやるわけにはいかないですよ、というのをやりたい。(出典:同上,36:28-36:53)

 日本のメディアでは6月にプーチンが失脚するとか、東部征服で手打ちにするんだとか言っているわけですが、第二次祖国戦争にしてしまったプーチンウクライナ征服するまで止まる理由はないんですね。そして西側の思惑に反して経済的苦境をむしろ統制強化に使って、ずっと独裁者でいようとします。そもそも彼が帝国復活を目指すのも、死ぬまで権力者でいたい個人的欲望が極大化した結果でもあるのです。

 アメリカは既にロシアが戦争を長期化させる兆候をつかんでいます。今月5日プーチンの最側近とされるニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記がウクライナへの「特別作戦」について、当初の目標である「非ナチ化」を達成する方針を掲げました。

 米政策研究機関「戦争研究所」は5日、パトルシェフ氏の発言を受け、「プーチン政権が、ドンバス地方を超えた領土を切望している」との分析を示した。「非ナチ化」のほか、ウクライナ軍の非武装化を狙っているとされる「非軍事化」といったロシア側が改めて明示した目標は「ウクライナ軍の完全な敗北と、ゼレンスキー政権の降伏によってのみ可能となる」とも指摘されているという。(出典:ロシアの目標、あくまで「ウクライナの非ナチ化」…軍事作戦さらに長期化か ,読売新聞電子版,2022.7.7.,https://www.yomiuri.co.jp/world/20220706-OYT1T50215/

 これでウクライナ戦争の長期化はほぼ確定となりました。どんなに少なく見積もってもロシアの次の大統領選がある2年間は続くでしょう。それまでにウクライナが全面降伏した場合、ウクライナ戦争は終わりますが、その後あまり間を置かずにモルドバジョージアの「回収」が待っています。そしてその後は台湾を征服し終えた中国と組んで我が国に二方面から侵略してくるのです。

 

 戦争は始めたい人が始める。それを止めるには戦う覚悟をするしかありません。汝平和を欲さば、戦への備えをせよ!

 

(2022/8/15 改題、一部中見出し変更)