日本がアメリカを護る時代がやってくる!?

 皆さんこんにちわ、気温も上がって夏日になる事も増えました。燃料代が高騰する中、原発も動かせず、電力ひっ迫になった場合全国各地で「計画停電」が実施される可能性があります。ひょっとしたらこれからの夏の風物詩になるかもしれません。

 ウクライナ戦争が継続しています。西側メディアではロシア軍の予想外の脆さに驚き、プーチンは命運が尽きたという認識が支配的になっています。しかし繰り返すように戦争は継続しており、プーチンに諦めの色はないのは明確です。彼にとってウクライナ征服はロシア再興に必須であり、例えどんな犠牲を払っても成し遂げるつもりでしょう。失脚は……そうですね、金正恩体制が崩壊するのと同じ確率と予想しておきます。つまりあっさり失脚するかもしれないし、思いのほかズルズルと存続する可能性もあるのです。

 一部では「ウクライナ戦争から手を引き(つまり見殺しにして)ロシアと関係を正常化するべき」と言った主張が出ていますが、例えウクライナにロシアへの譲歩を促して休戦にこぎつけたとしても、装備と兵士が整い次第プーチン戦争を再開するでしょう。それこそ北朝鮮のように執念深く。スターリンフィンランド征服を諦めたのも冬戦争・継続戦争合わせて3年5か月かけたのですから、ウクライナプーチンに全面降伏をしない以上はそれくらいの長いスパンで見なければなりません。

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hatoyabu01.hatenablog.com 繰り返しますがプーチンが目指しているのはロシア帝国の復活であり、ウクライナを征服すれば、次はモルドバジョージアを「回収」し、その次はフィンランド、首尾よくいけばいよいよNATO加盟国であるバルト三国も視野に入れることになります。また西だけでなく東にも拡張を目論み、中国と同盟を結んで日本を攻撃する予想がほぼ確実であると私は考えております。

hatoyabu01.hatenablog.com もとより私はロシアを信用しておらず、中国の属国になった日本が中国と共に世界覇権戦争を戦い破滅した瞬間に北海道を盗りに来ると考えていましたが、それさえも甘い幻想だったということです。世界は思ったよりもアグレッシブで残酷です。

 昔より軽い米大統領の声

 甘いと言えば先月の日米首脳会談の結果に対し私は国内で甘い認識が蔓延っていると危惧しております。バイデン大統領の「台湾発言」です。

 バイデン米大統領は23日午後、日米首脳会談後の共同記者会見で、台湾で紛争が起きた場合に米国が防衛に関与するかを問われ「イエス」と述べた。(出典:バイデン氏、台湾紛争なら米が防衛に関与,産経ニュース電子版,2022.5.23.,https://www.sankei.com/article/20220523-BGLURFSFJBKC7FLRD7JVOT4OZY/

 この発言に例によって主要メディアでは「米国の台湾政策転換か!?」と騒いでいるわけですが、何でそうなるのか。言霊信仰があるとはいえ、いい加減冷静に思考しなさいな。まあ、アメリカ側としては狙ってやってる感もあるし、対中けん制になるからいいけどね。だけどこれで「台湾有事で米中戦争!日本はどうする!?」という他人事思考からはいい加減脱却してほしいものです。アジア情勢のメインプレイヤーは日本ですよ。

 バイデンさんの発言は一にも二にも「対中けん制」以上のものはありません。すぐにホワイトハウスが「台湾巡る政策に変更ない」と表明しています。これは昨年の8月と10月に続く「失言」で、真新しいものではありません。これは私の考察ですが、米大統領の発言そのものの権威がかなり下がっている可能性があります。だから言いたいことが言えるのです。その象徴としてロシアがウクライナに侵攻して1か月後の3月26日、ワルシャワでの演説でプーチンに「権力の座に居座るな」と発言したのです(直後にホワイトハウスが訂正しています)。

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 これは私の感覚ですが、この時点でもってアメリカは「世界のリーダー」ではなくなったと思います。湾岸戦争の時のような全盛期なら大騒ぎでしょうけど、今は「言うだけ」というのが殆どの国の共通認識です。ぼろ切れまとったテロリストから逃げ出す超大国が、没落したとはいえ東側の大国の体制を堕とせるとは誰も思いません。もっともこれはバイデンさん個人の責任ではなく、先々代のオバマ政権と先代のトランプ政権からくる「米国の衰退」という大局によるものです。

hatoyabu01.hatenablog.com まさに私が予想下通りの結果になってしまったわけですが、日本にとって悪い話ばかりではないので。理由はこれから解説します。

 アメリカが日本に「お願い」!?

 参議院議員青山繁晴さんは日米首脳会談の裏について興味深い話をしていました。

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 日米首脳会談で「台湾発言」の他に目玉になったのはIPEF(インド太平洋経済枠組み)ですが、いくつかメディアで言われているように「関税無し」で協定じゃないのです。ならうま味は何だと言ったらストレートに「反中同盟」なのです。だから例によって中国の王毅外相は行く先々の国でIPEF批判をしています(まるで韓国の告げ口外交ですね)。

中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)はフィジーを訪問中の5月30日(現地時間)、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」について関税引き下げや市場開放がないことなどに言及し、「米国は自分の定めた基準とルールで他国を型にはめ、WTOを基本とする多角的貿易体制とは別のシステムを作り上げようとしている」と批判した。(出典:王毅・中国外相、フィジーでIPEFを批判,日本貿易振興機構ビジネス短信,2022.6.1.,https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/06/df9c3ceb365534cd.html

 そのIPEFですが、青山さんの話では今までのような要求ではなく、「お願い」したというのです。親中で有名な宏池会の岸田さんも、例年の中国の戦狼外交北京五輪を巡る米中等距離外交に失敗し、なおかつロシアが派手に戦争おっぱじめたおかげで「反中」へのハードルが低くなった事情があるのでしょう。岸田さんが同意したその日に「発足です!」となったわけです。自虐的な日本人としては信じられませんが、日本が参加したおかげで(すでに参加表明した韓国は別として)インド等多くの国々が参加して2022年6月2日現在14か国となったわけです。

 こうしてみるとあの8年の安倍政権でどれだけ日本の国際的地位が高まっているかわかろうものです。今ではよく耳にするクアッドも元は彼の「セキュリティダイアモンド構想」ですし、彼の価値観外交で日本外交の幅が明らかに広まりました。「軍事より外交」なんて言っている方々、安倍さんが戦後日本で最も外交に力を入れた首相であることを念頭に置いといてください。正直、岸田さんは彼がついてこねた天下餅を食べているようなものです。本当に運のいい人。

 米国から「まさか!?」のお願い

 加えて安倍さんが残したレガシーで有名なのは「平和安全法」ですよね。日本とアメリカの集団的自衛に法的裏付けをしたものですが、これが今回大きな胎動をもたらしたのです。

 時に日本の安全保障と言えば米国で、米国にお願いするから、引き換えに要求を受けるというのが日米関係なわけです。よく保守の方が「日本は米国の属国」と嘆きますが、それは国防に関わることだからですね。国が安全じゃなければ経済も政治も成り立たなくなるのです(ついで言うと外交も)。故に主従のような日米関係だったわけですけど、それが変わるかもしれないのです。

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 中国は賢いから、日本を叩くときに在日米軍基地だけ叩いて……自衛隊と一緒にいるような三沢基地などは横須賀も含めてやらなくて、沖縄に多い米軍専用基地……嘉手納とか普天間とか、そこだけを叩いてくることがあり得る。その時に日本、いわゆる日本は被害受けていない、米軍専用施設だけ被害受けてるのに反撃してください!中国に。これを「お願い」してきている。(【ぼくらの国会・第345回】ニュースの尻尾「米からマサカのお願い」より13:23-13:57引用)

 自衛隊が米軍基地を護って反撃する!一見有り得そうでなかったことが起ころうとしているのです。もとより日米の防衛構想は「日本が盾で、米国が矛」だったわけですが、日本が「専守防衛」という敵が自国領域に入らない限り攻撃はおろか反撃もしない体制で、しかも実態は自国領域に入っても反撃しない無抵抗主義だったのです。その象徴が1987年に起こった「ソ連軍機の沖縄本島領空侵犯事件」です。

対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件 - Wikipedia

 12月9日、ベトナムカムラン湾から発った4機のソ連偵察機Tu-16バジャーが日本の防空識別圏に入り、空自戦闘機がスクランブルします。4機中3機は進路を変えましたが、一機だけは空自機の目の前で沖縄本島上空を悠悠自適に飛び、二回の警告射撃を受けてようやく出ていきます。この時米軍基地上空も飛んでおり、もし爆撃機であったなら日米の信頼は地に落ちていたことでしょう(Tu-16は爆撃機として設計された大型機で、中国が現在主力爆撃機として使っております)。そこからの転換ですから、世界が注目する大転換です。当然最も注目しているのは中国なのは言うまでもありません。

 脈あり?伏線もある!

 あいにくこれは青山さんが話した水面下の話の一部であり、岸田さんがどう答えたのかはわかりません。内容が内容だけに二つ返事で「イエス」とは言えないと予想されますが、全面拒否ではないことは間違いないでしょう。というのもバイデンさんとの記者会見で、岸田さんも重大な発言をしているのです。

地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、バイデン氏とは日米同盟の抑止力、対処力を早急に強化する必要があると再確認し、私からは日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した。(出典:岸田首相「防衛費の相当な増額を確保」 日米共同記者会見要旨,産経ニュース電子版,2022.5.23.,https://www.sankei.com/article/20220523-RLQQ2TFQPNOQLNXEV3WEDT5KRM/

 記事では台湾有事に日本はどうするか聞かれていて、それは政治家特有の「定型文コピペ作戦」ではぐらかしていますが、防衛費の相当な増額ははっきり言っているんです。安倍さんならともかく宏池会の岸田さんがですよ?ここで言ってしまったら、無かったことにはできないわけですよ。毎年の微増で誤魔化すことはできません。例によって公明党や野党が反対するでしょうが、やると言った以上はやらないと日米間の信頼が崩れます。

 また面白いことにこの話には伏線があるのですよ。二年前の2020年3月に米海兵隊から戦車を全廃するという再編案が出されたのです。

 2020年3月23日(月)、アメリ海兵隊のデービッド・バーガー総司令官が、10年以内に戦車大隊を廃止し、歩兵部隊と砲兵部隊を削減することなどを盛り込んだ、新戦略に基づく大規模再編案の概要を発表しました。2019年の夏以降進めてきた、人員・部隊・装備における再構築計画の策定作業を受けてのものです。(出典:アメリ海兵隊 戦車全廃か M1戦車大隊廃止 変わる戦い方 自衛隊・日本への影響は? 乗り物ニュース,2020.4.11.,https://trafficnews.jp/post/95307

 記事では理由として無人機や精密攻撃兵器の開発に振り分ける為と言ってますが、戦車を無くす意味を解ってません。巷では無人機によって簡単に破壊されるから「戦車は時代遅れ」という主張がありますが、今ウクライナに戦車が供与されていることからもわかるように戦車の戦術的価値は変わっておりません(これに関してはいつか兵器考察シリーズとして書けたらなと思います)。その本質は今アメリカに起こっている大局とつながっていて「戦わざるカーボーイ」になっていく一貫だと私は考えます。

 もとより在日米海兵隊は日本沖縄防衛以外に中東などへの遠征の任務も受け持っていました。それがイラク、シリア、アフガンからの撤収によって役目が減ったのですね。加えてミサイル技術の発達した今日では沖縄は安全な場所ではなくなっています。米軍としてはリスクを減らしつつ効果的な戦力だけを残しておきたいんですね。それが精密攻撃兵器を持った部隊というわけですが、それだけではもし敵の揚陸部隊が上陸した時にやられてしまいますし、既に占領された島嶼を奪還することもできません。その穴埋めをどうするかというと、それが陸自の水陸機動団になるわけですね。

 また年を同じくして20年12月防衛省は長射程のミサイルの開発を決定しました。

政府が研究開発を進める新型の対艦誘導弾の射程が約2千キロに及ぶことが28日、分かった。配備が実現すれば自衛隊保有するミサイルでは最長射程となる。これとは別に、陸上自衛隊が運用する12式地対艦誘導弾の射程を将来的に1500キロに延伸する案が浮上していることも判明。「国産トマホーク」ともいえる長射程ミサイルの整備を進めることで、自衛隊の抑止力強化につなげる狙いがある。(出典:《独自》「国産トマホーク」開発へ 射程2千キロの新型対艦弾 12式は1500キロに延伸,産経ニュース電子版,2020.12.29.,https://www.sankei.com/article/20201229-IJSI3I2G35PKXLKSEGF4FR76JA/

 射程二千キロともなれば日本国内から平壌や北京を狙える距離で、まさに「敵基地攻撃」と言えるでしょう。今年4月に出された自民党の新しい安全保障戦略では「専守防衛の考えの下での反撃能力」というわけわからない言葉に変わっていますが、一応の趣旨として敵基地や敵司令部の攻撃はする……かもしれないニュアンスとなっています。それが米国のお願いによって「May be を外してやってくれ」となったわけです。

 すっかり頼りなくなった米国ですが、日本にとっては悪い話じゃありません。自衛隊が米軍を護るのが鮮明になれば、日米地位協定の改定にも弾みがつくし、特に沖縄の悩みの種となっている米軍専用基地に自衛隊が関わることになるわけですから、いずれ日米共用となって北海道のように自衛隊が主体になる可能性があると私は思うのです。ウチナーチュ自身も参加する自衛隊によって沖縄を護る。これほどいい話はありません。

 しかしそれを実現するには憲法9条が障壁となってきます。この条項に手を加えない限り、日本はいつまでも米軍の大部隊に居てもらうか、中国の属国になり消滅するしかないのです。